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2016年入社(2021年2月掲載)

編集局報道部 記者 小山 哲史

長野県長野市出身

読者に求められ、
果たす役割は何か
考える。

読者に求められ、果たす役割は何か考える。

  • Q1

    信濃毎日新聞を
    志望した動機は?
    入社してやって
    みたかったことは?

     小さい頃から、人や集団の動きを観察したり分析したりすることが好きで、社会学を専攻した大学時代にフィールドワークなどを通じ、現場で体感することの面白さを知りました。信毎の記者になれば、地元のことを最前線で学び続けることができ、記者であること自体が学びのモチベーションにもなると思いました。そうした仕事の対価として、給料をもらい生活できることに魅力を感じました。抽象的ですが、取材を通じて現場の緊張感や熱気を感じたいということ。当事者の話を聞き、自分は何を思うか、倫理観や正義感に突き動かされるような経験を重ねたいという思いも持っていました。

  • Q2

    実際に
    入社してみての
    印象は?

     毎日、安定的に記事を出稿し、紙面を作り続けなくてはならない責任は大きいですが、取材のテーマや切り口については、思った以上に記者個人の裁量に委ねられています。先輩記者やデスクから助言をもらうことは多くありますが、前向きに取材に臨んでいることに対し、水を差されるようなことをされた経験はほとんどなく、伸び伸びと動ける環境です。

  • Q3

    現在の
    仕事の内容は?

     報道部の経済担当として、主に建設業や飲食、サービス業、雇用関連を取材しています。ただ、あまり垣根はなく、製造業や観光業を含め、興味関心に従って自由に取材しています。
     広報部門が手厚い大手企業や行政の補助金に絡むような一部を除き、信毎の経済記事の多くは、独自の取材によるものです。例えば、コロナ禍であれば、外出自粛で客足が低迷する外食事業者が、「巣ごもり需要」を取り込もうと冷凍食品の市場に参入する―など。世の中の変化や公表された設備投資計画をにらみ、取材先を探ります。目星を付けたら、電話やメールでアポを取り、話を聞きに行きます。中小、零細を含め数多くある県内企業が知恵を絞り、いかにお金を稼ぎ、どう成長しようとしているか、取材でそうした試みを追い、各社の動向の意外性や説得力をいち早く感じ、発信できることもやりがいの一つです。

  • Q4

    信毎に入って
    良かったと
    実感するのは
    どんなとき?

     質、量ともに県内の報道機関としては唯一無二の存在だと思っています。学生のころ、就職活動中に、元記者の方から、取材の手法や姿勢について「全国紙は狩猟型だが、地方紙は農耕型だ」と聞いたことがあります。経済担当でも、人脈を生かしながら県内全域で継続して取材を重ねることで、思いもよらぬところから面白い話題を聞くようなことがあります。企業側と付かず離れずの関係を維持しつつ、記者としての信頼を得て、結果的に埋もれてしまいかねない情報を掘り起こすことができた時は充実感を覚えます。

  • Q5

    自分が仕事を通じて
    成長したと思う点は?
    その理由やきっかけは?

     成長途上ですが、誰が相手でも臆せず、緊張に強くなり、コミュニケーション力の充実も感じています。さまざまな境遇の人を相手に喜怒哀楽の異なる話題について取材を重ねる中で、感受性も豊かになり、精神面の成熟にもつながっている気がします。

  • Q6

    いちばん思い出に
    残っている出来事は?

     2020年の夏ごろ、コロナ禍で計150人程度の大規模な人員整理に踏み切った企業の取材をしました。大企業の孫会社に当たり、離職した方の「働き続けたいが、上が決めたことだから…」という諦めの言葉が胸に残っています。取材は、企業側の警戒が厳しいところ、従業員の退社時間を見計らって会社近くに通うなどして進めました。最終的に取材に応じた親会社役員の突き放すような態度と、大きな流れにのみ込まれるように職を失った働き手とのギャップに不条理を感じました。一つの出来事に対し、経緯の解説や周囲の再就職支援など、継続的に記事を掲載してきましたが、今後もさらに取材を続けたいと思っています。

  • Q7

    将来、目指している
    目標は?
    そのために努力して
    いることは?

     仕事と私生活のバランスを確保しながら、信毎の存在感を維持、発展させていくことができるかが関心事です。個人的なライフステージと、デジタル対応を中心に新聞業界がともに変化していく中、改めて読者に求められ、果たすことができる役割とは何かを考えます。効率性の尺度だけで仕事の善しあしを判断できない職業ですが、原稿を出すスピード感や周囲との分業など、自身の働き方についても常に意識するようにしています。

  • Q8

    長野県で生活する
    魅力は何?
    好きな季節や場所は
    ありますか?

     大都市と比べれば、周りがせかせかとしておらず、心にゆとりを持って落ち着いて生活できる環境です。今やその価値はとっても貴重だと思います。県土が大きく、地域ごとにそれぞれ特色があり、飽きさせない魅力もあります。取材では全県を移動できるので、その行き先に応じて、ご当地のご飯を食べることも楽しみにしています。肌寒い秋から初春までの時季には、時間をつくって温泉で一休みするのも幸せです。

  • Q9

    休日の過ごし方、
    リフレッシュの方法は?

     平日に動き回っている反動もあり、休日は、映画やサッカー観戦、読書など家でじっとしていることが多いです。ラジオや雑誌、YouTubeなども好きで、休日は平日の2倍速で時間が流れていってしまう気がします…。

  • Q10

    仕事をする上で
    大切にしている
    言葉、人生訓、
    モットーなどは?

     好きな言葉は「持ちつ持たれつ」。記者を仕事にしているからではないですが、人の痛みに敏感でありたいと思っています。1日に5本も6本も原稿を出す日もあり、忙しい仕事ですが、ただ真面目な会社員ではなく、人間味の深い記者に成長していきたいです。

1日の生活例

9:00
起床、取材のアポ取り
10:00
長野労働局の定例会見に出席
雇用情勢について、経営者に電話取材
12:00
昼食を済ませ、車で上田市へ移動
14:00
ICT(情報通信技術)を活用した建設業での働き方改革について取材
16:00
国の補助事業に採択された県内メーカーの研究開発事例について電話取材
18:00
記事を出稿し帰宅
デスクの問い合わせに対応
21:00
企業の下調べなど取材準備 
25:00
就寝

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